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黒河富夫のホームページ(グラフと応用)

迷路作成、グラフ理論など研究をしています。

1. グラフ理論の研究
2. グラフ理論による画像処理
3. グラフ理論&画像処理による迷路作成
4. 遺伝的アルゴリズムのグラフ理論&画像処理への応用
5. 上記に関するアルゴリズム研究

以下は最近の研究結果です

1 市松模様を自動作成するアルゴリズムと生成した市松模様とそのバリエーションです。 自動生成された市松模様とその生成手順
2 全ての文字や画像を比較的短い線または曲線で繋いで、一本のパスを作り、画像の内部にもそのパスを延長して迷路の解を作ります。 この例では英語の短文を構成する英単語が出てきます。答えは「SOLVE MAZE」です。 複雑絵画的迷路
3 一筆描き迷路:描いた通りの閉じた迷路です。どのように複雑な一筆描きでも、閉路であれば、迷路にできます 一筆描き迷路
4 輪郭線迷路:文字や記号その他ロゴなどの輪郭線を利用して作成した絵画的迷路です。 複雑な文字記号も迷路にできます 輪郭線迷路
5 ハミルトン道による絵画的迷路:文字や記号の中の点をすべて通るパスを直接高速に成長させて、構築し、 それを迷路の解とする迷路です。左の図は解だけです。袋小路を付けてありません。 ハミルトン道による絵画的迷路
6 疑似ハミルトン道による絵画的迷路:文字や記号の中の点を殆どすべて通るパスを直接高速に成長させて、構築し、 それを迷路の解とする迷路です。 疑似ハミルトン道による絵画的迷路

1. 市松模様の生成プログラムの手順と生成された市松模様及びそのバリエーション

市松模様1市松模様2市松模様3
市松模様4市松模様5市松模様6
市松模様7市松模様8市松模様9
どの市松模様も、閉路線画の輪郭線を抽出し、その輪郭線を二つのパーティションに分け、 それぞれの輪郭線で囲まれた領域を塗り分けると市松模様ができます。 詳しくは以下のの論文を参照ください。
Tomio Kurokawa, "Generation of Checkered Patterns and Their Variations by Making Use of Eulerian Graph Features," British Journal of Mathematics & Computer Science, Vol.20, Issue.3, pp.1-29, 2017.1, SCIENCEDOMAIN international, ISSN: 2231-0851, http://sciencedomain.org/issue/2067
論文のダウンロード-DOI:https://doi.org/10.9734/BJMCS/2017/30783

以下は市松模様1についての生成手順です。

図1図2図3図4
元画像:細い線による長方形がクロスした状態で、二つ描かれている。 図1の画像の輪郭線を抽出。輪郭線は元の線の上に引かれている。図1で線で囲まれた領域を囲む輪郭線が抽出されている。 領域は隣接しているので、輪郭線は2重になっている。 輪郭線またはその領域に番号を付けてある 領域を頂点、領域が隣接しておればその頂点と頂点を辺で結ぶようなグラフが描かれている(RAG,黄色のグラフ)。 領域は二つのセット(X,Y)に分けられる。 図3のグラフ(RAG)の頂点(輪郭)を2分グラフとして二つのセット(XとY)に分け、そのXを表示。 Xの領域輪郭線だけでも、元の輪郭線と重なっていたので、見え方は同じでる。
図5図6図7
Yを表示、Xと一緒の時は2重になっていたので、Yだけでも、見え方は変わらない。 さらに、全ての隣接をチェックして、XとYの2分グラフを描いている Xの領域を青、Yの領域を黄色、境界線を黄色に着色して、市松模様としている。 他の市松模様も同様の手順で生成されます
詳しくは以下のの論文を参照ください。
Tomio Kurokawa, "Generation of Checkered Patterns and Their Variations by Making Use of Eulerian Graph Features," British Journal of Mathematics & Computer Science, Vol.20, Issue.3, pp.1-29, 2017.1, SCIENCEDOMAIN international, ISSN: 2231-0851, http://sciencedomain.org/issue/2067
論文のダウンロード-DOI:https://doi.org/10.9734/BJMCS/2017/30783

2. 複雑絵画的迷路-- 以下の迷路は 迷路の中に迷路があるような複雑な迷路である。
始点(S)から終点(E)に達するまでの経路が解である

1 左の迷路は画像上の多数のドット全てを一度だけ、接続線が交差することなく繋いだパスを作成し、 更にドットの中の頂点を殆どすべて通るような迷路の解を作成して、迷路を構築している。
2 ドットをアルファベットに置き換えて作った英単語クイズ迷路である。答えは"SOLVE MAZE。
詳しくは以下のの論文を参照ください。
Tomio Kurokawa, "Construction of Picture Maze along Set of Image Dot Vertices," British Journal of Mathematics & Computer Science, Vol.17, Issue.1, pp.1-14, 2016.5, SCIENCEDOMAIN international, UK, ISSN: 2231-0851, http://sciencedomain.org/issue/1786
論文のダウンロード-DOI:https://doi.org/10.9734/BJMCS/2016/26350

3. 一筆描き迷路--一筆描き閉路は実質的に2重のオイラーサーキットである
これにより、 その全ての経路を通る迷路ができる

1 左の左は一筆描き閉路です。線幅は3ピクセルである。その右はその輪郭線である。 輪郭線は番号が付けられサイクルになっている。

この輪郭サイクルはどこも2重になっている。 もし元の描画閉路の幅が限りなく狭ければ、これらの2重のサイクルは重なると考えられる。 元々の閉路は線の交点をグラフの頂点とすると全ての頂点の辺の数は偶数であるので、 それはオイラーグラフであります。

したがって、2重のサイクルセットには2重のオイラーグラフがあると考えられます。

この2重のオイラーグラフは同じ頂点と辺により構成された二つのサイクルセットになります。 しかし、これからできるオイラーサーキットは道筋が違い別のオイラーサーキットになります。 一筆描き閉路に関して サイクルで囲まれた領域を頂点、サイクルの隣接を辺とするグラフは2分グラフであるので、 2重サイクルのグラフはサイクルの隣接を基準にサイクルを分けることができると考えられます。 即ちそれは2分グラフのXとYのパーティションになる。
2 上記のパーティションがこの二つのサイクルセットです。
3 左は全ての隣接をチェックして、2分グラフを描いたものです。 右はサイクルを頂点とする領域とサイクルの隣接を辺とするグラフ(2分グラフ)描いたものです。
4 左の左は線幅1ピクセルで描いた閉路です 。 左の右はその輪郭線です。どこも2重になっていますが、ほとんどの場所で重なっているため、1重に見えます。
5 前記の3ピクセルの描画閉路の場合と同じように処理して、2分グラフに分けたものです。
両画像とも同じように見えます。
しかし、二つは違ったサイクルセットになっています。
左は5つのサイクルにより構成され、右は3つのサイクルにより構成されています。

ここで明らかなように、閉じた描画閉路の輪郭線は実質的に2重のオイラーサーキットであるといえます。
6 前記のサイクルセット(XもYも)をマージして一つのサイクルに変換し、 適当な位置でパスを切り、スタートとゴールとし、 ランダムな袋小路を追加、壁を細く道を太くすると迷路が完成する。 完成した迷路に正解のパスを追加すると図のようになる。 XパートもYパートも同じように見えるが道筋は違う。
7 詳しくは以下のの論文を参照ください。
Tomio Kurokawa, "Maze Construction by Using Characteristics of Eulerian Graphs," British Journal of Mathematics & Computer Science, Vol.9, Issue.6, pp.453-472, 2015.6, SCIENCEDOMAIN international, UK, ISSN: 2231-0851, http://sciencedomain.org/issue/1147
論文のダウンロード-DOI:https://doi.org/10.9734/BJMCS/2015/18125

4. 輪郭線迷路
2値画像の輪郭線を連結して絵画的迷路を構築することができる
始点(S)から終点(E)に達するまでの経路が解である

1 左の画像は文字"AB"の輪郭を迷路の解とする絵画的迷路(浮き出し迷路)の解を示している。 はじめ、文字の輪郭を作っておいて、それを次々にマージして(連結)作る。
2 文字"迷路"のような複雑は画像の絵画的迷路も作成可能である。
詳しくは以下のの論文を参照ください。
Tomio Kurokawa, "Picture Maze Generation by Repeated Contour Connection and Graph Structure of Maze," Computer Science and Engineering, Vol.3, No.3, pp.76-83, 2013.12, Scientific & Academic Publishing, USA , ISSN:2163-1484 http://article.sapub.org/10.5923.j.computer.20130303.04.html
論文のダウンロード

5. ハミルトン道による絵画的迷路
簡単なハミルトンパスの構成法である。この方法により絵画的迷路を作成できる。

1 右の画像は文字"B"の中を全て塗りつぶすような道筋を作って、それを解とする浮き出し迷路の解を示している。 これは通常の迷路の形にはなっていない。迷路には通常行き止まりの道が沢山あるが、それがない。 ただ迷路の解だけが示されている。迷路は通常、まず答えの道を作って、その後ランダムな行き止まりの道を付け加えて作る。
詳しくは以下のの論文を参照ください。高速アルゴリズムとその数学的帰納法による証明も掲載
Tomio Kurokawa, "Picture Maze Generation by Successive Insertion of Path Segment," British Journal of Mathematics & Computer Science, Vol.4, Issue.24, pp.3444-3463, 2014.12, SCIECEDOMAIN international, UK, ISSN: 2231-0851 http://www.sciencedomain.org/issue.php?iid=699&id=6
論文のダウンロード-DOI:https://doi.org/10.9734/BJMCS/2014/12048
2 右の画像は文字"B"の代わりに小さな四角の領域の中を全て塗りつぶすような道筋を作っている。 はじめに、1から4の初期ブロックパスを作る。1がスタートで4がゴールである。 この図の場合は次に5から8を1と2の間に挿入している。 次は9から12を7と8の間に挿入している。 これを最後のスペースが埋まるまで繰り返す。 そうすると、全ての点(頂点)を通るパスができる。これが迷路の解の道筋である。 このパスは全ての点を通っているのでハミルトン・パスである。
3 右の画像と次の画像は上記3の詳細説明のためである。ここでは最初のブロックパス(1から4)を設定している。 次にブロックnまでパスが出来上がったとします。そうすると隣接ブロック領域がある限り 次のパスを挿入できる。ということはn+1ブロックでもパスができるということである。 これはアルゴリズムを数学的帰納法により証明している(簡単にしている)。詳しくは上記論文を参照ください。
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詳しくは以下のの論文を参照ください。高速アルゴリズムとその数学的帰納法による証明も掲載
Tomio Kurokawa, "Picture Maze Generation by Successive Insertion of Path Segment," British Journal of Mathematics & Computer Science, Vol.4, Issue.24, pp.3444-3463, 2014.12, SCIECEDOMAIN international, UK, ISSN: 2231-0851 http://www.sciencedomain.org/issue.php?iid=699&id=6
論文のダウンロード-DOI:https://doi.org/10.9734/BJMCS/2014/12048

6. 疑似ハミルトン道による絵画的迷路
簡単は擬似ハミルトンパスによる絵画的迷路です

1 それを解とする浮き出し迷路の解を示している。"AB"の中を完全に塗つぶすような道筋はできていない(通常不可)。 この迷路は右手の法則、左手の法則のどちらか一方で解くことはできない。3.の方法とは異なり、4頂点のブロックではなく 2頂点のブロックによりパスを挿入し、そのパスの延長を右にも左にも可としているからである。
これは3.方法とよく似ているが、画像を縦横2倍することはしないので完便。しかし、通常完全なハミルトンパスを構成できない。
上記どの迷路もパスはリスト上にも作り、発展性と効率性を図っている。迷路はパソコンで瞬時に完成する。
詳しくは以下のの論文を参照ください。
Tomio Kurokawa, "Picture Maze Generation by Successive Insertion of Path Segment," British Journal of Mathematics & Computer Science, Vol.4, Issue.24, pp.3444-3463, 2014.12, SCIECEDOMAIN international, UK, ISSN: 2231-0851 http://www.sciencedomain.org/issue.php?iid=699&id=6
論文のダウンロード-DOI:https://doi.org/10.9734/BJMCS/2014/12048



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